トイレの鍵が開かない。非常解錠装置を試しても、様々な方法を試みても、ドアは固く閉ざされたまま。そんな時、無理にこじ開けようとすることは、事態をさらに悪化させるだけです。ドアや鍵を完全に破壊してしまえば、修理費用は鍵開けの料金をはるかに上回ってしまいます。こうなってしまった時の最後の、そして最善の手段が、プロである鍵屋に依頼することです。専門家であれば、ほとんどの場合、鍵やドアを傷つけることなく、数分から数十分で問題を解決してくれます。しかし、いざ依頼するとなると気になるのがその費用です。鍵屋の料金は、一般的に「基本料金(作業料)」と「出張料金」、そして深夜や早朝であれば「時間外割増料金」の組み合わせで構成されています。トイレの鍵のような比較的簡易なものであれば、総額で8,000円から15,000円程度が一般的な相場と言えるでしょう。ただし、業者選びには注意が必要です。ポストに投函されているマグネット広告などで「鍵開け3,000円~」といった極端に安い料金をうたっている業者には、特に警戒が必要です。これはあくまで最低料金であり、現場に到着してから高額な出張料や特殊作業料などを次々と上乗せして請求する、悪質な業者の手口である可能性があります。信頼できる業者を選ぶポイントは、まず電話での問い合わせの際に、料金体系を明確に説明してくれるかどうかです。また、作業前に必ず現場の状況を確認し、正式な見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。その見積もりに納得して初めて、作業を依頼するのが鉄則です。慌てている時こそ、一呼吸おいて、インターネットで複数の業者の口コミを比較したり、地元の信頼できる業者を探したりすることが、不当な高額請求を避けるための最善の防御策となるのです。