トイレの鍵にも種類がある?構造の違い
ひとくちに「トイレの鍵」と言っても、その構造や仕組みにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。この違いを理解しておくことは、万が一のトラブルの際に、冷静に正しい対処法を判断するための助けとなります。現在、日本の住宅で最も広く使われているのが「表示錠」と呼ばれるタイプです。これは、ドアノバの近くに「空室(青や緑)」「使用中(赤)」といった表示が出るのが特徴です。内側からつまみを回したり、スライドさせたりして施錠すると、外側の表示が切り替わります。このタイプの鍵のほとんどには、外側から開けるための非常解錠装置が付いており、横一文字の溝があるものが主流です。次に、比較的シンプルな構造の「チューブラ錠」があります。これはドアノブと錠前が一体化したタイプで、主に内側のドアノブ中央にある押しボタンを押すことでロックがかかります。外側から開ける際は、ドアノブ中央にある小さな穴に、千枚通しのような細い棒を差し込んで押し込むことで解錠できる製品が多いです。古い住宅や、間仕切りドアなどにもよく使われています。また、より古い建物に見られるのが「箱錠(ケースロック)」です。これは、ドアの内部に錠前の本体となる箱型のケースが埋め込まれているタイプで、ドアノブが操作する三角形のラッチと、鍵が操作する四角いデッドボルトが別々に機能しています。このタイプは構造が頑丈な反面、もし鍵の不具合が起きると、自力で開けるのは非常に困難になります。ご自宅のトイレの鍵が、どのタイプに当てはまるかご存知でしょうか。普段は何気なく使っている鍵の仕組みに少しだけ目を向けてみること。それが、突然の閉じ込めトラブルというパニックから自分を救うための、知識という名の合鍵になるのです。